10th April 2005
前書き | ||||
A. 四間飛車穴熊 | ||||
基本図まで | ||||
▲6六歩 | ▲6六銀 | ▲5五歩・▲7八金 | ||
△6二飛型 | △4二飛型 | △6三銀 | △6五銀 | |
B. 三間飛車穴熊 | ||||
基本図まで | ||||
ノーマル三間穴熊 | 石田流穴熊 | かなけんシステム | ||
C. 中飛車穴熊・向かい飛車穴熊 | ||||
中飛車穴熊 | 向かい飛車穴熊 | |||
まとめ |
居飛車穴熊対振り飛車を取り上げて今まで解説してきたが、振り飛車の囲いはほとんどが美濃囲いだった。
しかし美濃囲いやその他の囲いであると、ちょっとの間違いが取り返しのつかないことになる可能性がある。居飛穴に無理攻めされ、対応を誤ってそのまま攻め潰されてしまったことがない人はいないはずだ。
そこで考える。堅さ負けしているから悪いのである。堅さが同じであればいいだろうと。
初めは美濃囲いが堅いから居飛車が穴熊に潜った。すると、振り飛車も居飛穴に対抗するため自らも穴熊に潜る。お互いの囲いが穴熊であるため、この戦型は『相穴熊』『相穴』と呼称される。
さて、相穴熊は互いに玉が堅いため、お互い穴熊に囲って堅さを生かして乱暴しあう・・・と言うのは誤解である。
『玉の堅さ』は相対的なものなので、どっちにも『玉の堅さ』の主張がない。
すると、形勢を分けるものは飛角銀の働きになってくる。極端な例を挙げてみよう。
図 |
左図はお互い穴熊を固めた図。
図では、居飛車の飛先が伸びており、角道が通っている。一方の振り飛車は飛先が止まって角道が開いていない。 |
ただ固めあう順では居飛車が作戦勝ち。
これが相穴熊の大前提である。
したがって、相穴熊においても振り飛車に工夫が求められる。専門的に言えば『主張を得る』必要がある。
当然、その工夫に対して漫然と指していれば居飛車が作戦負けに陥る。
この辺の攻防を今回取り上げていきたいと思う。
さて、当然ながら振り飛車は大きく分けて4種類ある。よって振り穴も4種類ある。
したがって、それぞれの振り穴によって『主張』が違ってくる。採用率はそれぞれの『主張』が好まれるかどうかによって差がついている。
このページは居飛穴マニュアルを目指すため、それぞれ取り上げていきたい。
相穴熊の振り飛車も、ほとんどが四間飛車穴熊である。
四間穴が多いのは、前述の『主張』が得られやすいからと言うのもあると思われる。具体的に言えば△5四銀と出る手がそれに当たる。
他に、最近は△9五歩と端歩を突きこしてから穴熊に潜る戦法も現れている。
中盤・終盤のいいところで端攻めが切り札になる点を主張しているわけだ。これは『端歩位取り穴熊』と呼ばれタイトル戦にも登場している。相穴では現在最有力と思われる。
これは次項で取り上げたい。
A1図 |
初手から
A1図のポイントは▲5八金右を保留すること。 |
A2図(基本図) |
A1図から 四間飛車穴熊で居飛車穴熊に挑んでくるとき、A2図最終手の△5四銀が振り飛車の揺さぶりの一手だ。ここが相穴熊(四間飛車)の基本図である。 黙って(例えば▲9九玉とか)いたら△6五銀と出てくるので、居飛車はA2図で何か受けなくてはいけない。 |
A2図での有力手は以下の4つ。
1. ▲6六歩 ・・・ 穴熊に組み合う超持久戦
2. ▲6六銀 ・・・ 振り飛車次第で激しくなる
3. ▲5五歩 ・・・ △6五銀▲2六飛△4五歩でのっぴきならない形
4. ▲7八金 ・・・ △6五銀に▲7五歩とかわすつもり
この4つの手があるが、▲6六歩と▲6六銀を深く研究する。
▲5五歩と▲7八金は、穴熊に組みたい居飛車が積極的に採るべき手ではないからだ。
だが、振り飛車は▲5五歩も▲7八金も指される可能性があるので少しは知っておく必要がある。なので、基本となる進行のみ解説する。
居飛車がA2図で▲6六歩を選ぶと囲いあうことになるのだが、振り飛車は2つの作戦を選べる。
ひとつは、△6四歩から△6二飛と転回して穴熊を上部から崩しに行く、積極的な△6二飛型。
もうひとつは、四間飛車のまま玉を固めてカウンター狙いで指す△4二飛型だ。
プロでは積極的な△6二飛型が多く指されていた。(今は端位取り型に流行が移っている)
a. △6二飛型
1図 |
A2図から
金を這って寄せる必要があるのはこの△6二飛型対策のため。 |
振り飛車は△4五歩としてから△6五歩が仕掛けの手順。
△4五歩を突かずに△6五歩とやると、▲5五歩が機敏な反撃。
△同銀は致し方ないが、▲6五歩△同飛▲5六歩△6四銀▲8六角となり、次の▲7七桂で飛車が死んでしまいアウト。だから△4五歩~△6五歩とする。
その前に4一の金をひきつけたいが、1図で振り飛車は△5一金~△6一金左と寄せるか、△5二金と上がるかに分かれる。
1). △6一金型
1図から(1)
△6二飛型にはとにかく、△4五歩に▲6八銀と引く。 |
2図 |
2図から
居飛車は3筋・2筋と突き捨て▲6五歩。振り飛車から交換しては▲7七同銀が手順に玉を堅くする。 |
3図 |
1図から(2)
△5一金~△6一金型に対しては、▲8六角として△6五歩の仕掛けを牽制する順もある。 右図まで進めば仕掛けは成功。他、▲8六角としないで▲2六飛も考えられる。 |
4図 |
2). △5二金型
1図から
△5二金型は玉が薄いが、積極的な意味がある。 |
5図 |
5図から
△6五歩を▲同歩と取り角交換。振り飛車は4筋の突き捨てから△5七角~△4六角成。5図までの手順中△6一飛は、▲3六歩を突かせてこの△4六角成が飛車に当たるための手待ちであった。 |
6図 |
ここで△6五飛と走れば▲1一角成で居飛車が先に駒得する。次に▲5五歩△6三銀としてから▲6九香などの狙いが厳しい。
よって、△1九馬や△4七歩などが有力。(『これが最前線だ』より)
6図が気に入らないとなると、5図までの手順中▲3六歩で▲2六飛と浮く手も考えられ実戦例もある。
1図から 手順中、▲5五歩に△同銀は▲3六飛。最終手△4五歩のところ△6五歩は、手抜きで▲2四歩から▲2二飛成を狙う(のだろう)。
以下、▲2四歩△同歩▲同角△4四角▲3六飛△3一飛▲5四歩△同歩▲4五銀・・・と進む。 |
7図 |
b. △4二飛型
1図 |
A2図から
△4二飛型は△6二飛型と比べ玉が堅い。 |
以下、H13年2月棋王戦▲羽生△久保(羽生勝ち)を追ってみる。
1図から
▲3六歩に対して、△4三飛から△5一角と角を引く順も考えられる。本譜は△3一飛と3筋からの動きを見せている。 |
2図 |
△6二飛型と比べて積極的な作戦ではないが、玉を固めて軽く待つ、本来の振り飛車らしい作戦とも言える。
A3図 |
A2図から
A2図で▲6六銀を選ぶと、以下△6四歩▲5五歩までは当然。
A3図で振り飛車は△6三銀か△6五銀のどちらか。 |
a. △6三銀
1図 |
A3図から
▲6六銀 - △6三銀型はこれから解説する手順がどの部分で飛び出してもおかしくない。 |
1図から
△4四角▲5六飛に△3五角と出て次に△4六歩を狙う。▲3六歩で角を追って2図。 ここでは▲5四歩を成立させるために一手▲7五歩や、▲3五歩△同角▲3七桂の活用がある。 |
2図 |
1図から
先に▲5六飛と回り、銀を8六へ持っていくのも有力。玉頭に手厚い意味がある。 |
3図 |
1図から
▲6八角と引いて△4四角~△3五角の筋を先受けする手もある。 最終手▲5六飛では▲2八飛と引く手もあり、これは次に▲2四歩△同歩から▲3六歩(すぐ▲3六歩だと△6五歩▲同銀△5五角がある)と言う仕掛けがある。 |
4図 |
また、そもそも振り飛車が△4五歩を突かない順もある。
▲2六飛と浮く必要がないので▲3六歩と突きやすいが、振り飛車から△7四銀と出てくる手もある。
とにかく、▲5五歩 - ▲6六銀の形はあまり好形ではないので、居飛車としては▲6六銀の使い方がポイントとなりそうである。
b. △6五銀
1図 |
A3図から
△6五銀と出てくれば、1図までは必須。
ここは一旦▲7八金と閉まるのがいいと思う。 |
1). ▲7八金
1図から
▲7八金は、浮き駒になりがちな金を寄せておく手。 |
2図 |
a). △5四同歩▲3三角成△同桂▲2四飛△4六歩▲2一飛成
△4七歩成なら▲4三歩△同飛▲3二銀。△3二銀なら▲1一竜△2八歩に▲6四香。▲1一竜△4五桂(次に△5五角狙い)なら▲7七角と先着。
△4七歩成が出来ないのなら、既に△4六歩がおかしいのかも知れない。
b). △7七角成▲同桂△5四歩
▲2四飛△2二歩に▲5三角から馬を作り、飛車をいじめて十分。
振り飛車が△4五歩を突かないことも考えられる。
その場合は右金を6八へ寄せたあとに穴熊に潜るのがいいだろう。即▲5八飛もなかなか有力そうではある。
2). ▲2四歩
1図から
いや~な銀である。ちなみに▲2四歩に△同角は▲5四歩△同歩▲5三銀でも、一旦▲5八金右としてもいいと思う。 打たないのなら△4五歩だろうが、▲3四銀成△4六歩▲3三成銀△同桂▲5四歩くらいで悪い。 |
3図 |
問題は、囲いあったあと取り残されてしまう心配があること。それはそれで気を遣う展開となる。これで居飛車がよければ、A3図での△6五銀に悩む必要はないのだが。
▲5五歩
A4図 |
A2図から▲5五歩の一例
▲5五歩には△6五銀と出る。△4三銀では何をやったのかわからない。 |
居飛車はここで▲7五歩と突き、例えば△5二金左なら▲8六飛で銀を殺す順もある(次に▲6六歩として完成。なので▲7五歩に△4六歩が正しい)が、本筋は▲7八金。
振り飛車は4筋の突き捨てから7六の歩を奪い、一局の将棋と言うところ。
▲7八金
A5図 |
A2図から▲7八金の一例
上記の順で千日手となる。角を6八にかわしたりなんかすると△4五歩で、振り飛車の角が玉に直射する。穴熊を目指すなら角は6六にかわすしかない。 |
三間飛車に穴熊を組み合わせると、2通りの指し方に分かれる。
三間飛車の特徴に左銀の自由度が高いことが挙げられる。△4二銀とあがるので、次に△5三銀と△4三銀どちらかを選べると言う点だ。
△5三銀と上がる順は通常の三間飛車穴熊、△4三銀と上がる順は石田流穴熊となる。
前者の三間飛車穴熊は、とにかく徹底待機策が基本。具体的な主張がないのだ。
よって『私は千日手でも構いません』と言う実戦的にやらしい狙いを秘めている。
当然、指すには相当の熟練と、千日手を苦にしない強い精神力が必要だ。
プロでは、千日手好きとして知られる三浦弘行八段がたまに採用しているのを見かける。
しかし、この戦法はプロよりむしろアマのほうが有名。アマチュアタイトルの経験もあるアマ強豪の山田敦幹アマが、三間飛車穴熊の使い手なのだ。
戦法としては積極性がないのでプロに好まれない。よって定跡書もほとんどなく研究もされない。したがって全部ちょっと作戦負けかもしれないが、ハメられることは絶対にない。強いほうが勝つ、そういう将棋になる。
序盤派の目から見れば非常につまらない戦法だが、それゆえの盲点を突いた非常に実戦的な戦法であると言える。
一方、石田流穴熊は捌きの好形と穴熊の堅さを組み合わせた、十分な主張のある戦法だ。
プロでは久保利明八段がたまに採用している。前期NHK杯の対渡辺戦などだ。
三間飛車編の石田流解説で、えばぁは▲5六歩~▲5七銀を省略して穴熊へまっしぐらに入る順を解説したが、今回は▲5六歩~▲5七銀を作り、振り飛車に好形を許さない指し方を研究してみる。
特に石田流穴熊に対しては有力と考えられているようだ。
B1図 |
初手から
まだ後手が穴熊だとかどうとか言う局面ではない。 |
ここから△5三銀型を作るのが通常の三間飛車穴熊。 |
1図 |
B1図から
1図がノーマル三間穴熊の開始地点となる。 |
1図から 先手の▲6六銀に、後手も追随して△6四銀と上がる。 ここで▲6八角△5二金左▲3六歩△6二金寄▲2四歩・・・と進んだ実戦がある。第52期王将戦第4局▲羽生△佐藤康戦である。 |
2図 |
しかし三間穴熊のスペシャリスト山田アマの実戦は、
『▲6八角には△2二飛』 ・・・ ▲2四歩の仕掛けを消す
『▲3六歩には(4二か5一に)角引き』 ・・・ 角頭を受けるため
以上の2つが徹底されている。見てびっくりするほどである。だが、三間穴熊の指し方・アマの指し方とすればそれが正しいのかもしれない。
2図から
この手順中▲3六歩や▲6八角があっても、山田さんの実戦では上記の2点が徹底されている。 |
3図 |
3図で上記の法則が適用されると▲6八角△2二飛▲3六歩△5一角。
そうなると、▲3八飛△3二飛▲3五歩△同歩▲同飛△同飛▲同角の飛車交換か、▲4六歩~▲4八飛~▲3七桂と桂馬を活用していたりする。
振り飛車はとにかく居飛車の手に乗る指し方をする。
特に山田さんのような徹底ぶりだと仕掛けるのも大変である。上記の法則以外、分類も何もあったものではない。これで勘弁していただきたい。
まさに、数をこなした人が強い戦型だと思う。
1図 |
B1図から
△4三銀から△3五歩が石田流を目指す手。 |
1図から
歩取りに▲4六銀と出るのが石田流の好形を阻止する一手。振り飛車はこれに対して△3四銀とする一手。
2図で△4二角だと、居飛車は▲1六歩。△3六歩で歩を換える順は▲同歩△同飛▲3五歩。次に▲3八金~▲3七金とすれば飛車がさようならである。 |
2図 |
よくよく考えれば、2図で△4二角に▲6八角となれば△3四銀しかない。
結局は△3四銀と上がるのである。だったら2図で始めから△3四銀と上がったほうがまだましだ。
なぜなら、2図から△3四銀▲6八角には△4五歩の反撃が利くからである。▲3五銀△同銀▲同角なら△8八角成▲同玉△3五飛(銀得)ですばらしい。
要するにどうせ上がるのだから、先に上がって反撃の筋を残しておくのである。
2図から
3図までの進行はH14年4月棋聖戦▲羽生△久保の進行。 |
3図 |
ex. かなけんシステム
三間飛車に対して居飛穴を採用するとき▲5六歩~▲5七銀~▲7七角型の始動を採ると、えばぁにはちょっと気になる順がある。
俗に「かなけんシステム」と言われる手順だ。石田流使いには有名なようである。
ex図 |
1図から
相穴ではなくなるが、▲5六歩~▲5七銀型を見てこう変化してくる可能性がある。この形がかなけんシステムと言われる。 |
この△5四銀をほっとけば△6五銀である。
なので▲6六歩・▲6六銀・▲5五歩なのだが、以下の手順でいけるというのがかなけんシステムだ。
1.▲6六歩 ・・・ △3五歩▲1六歩△5一角▲2六飛△3六歩▲同歩△4五銀でよし
2.▲6六銀 ・・・ △3五歩▲8八銀△4五銀で△5一角~△3六歩狙い
3.▲5五歩 ・・・ △6五銀▲2六飛に△4五歩~△5四歩(?)
とにかくこんな順である。根幹は△4五銀と△3六歩の組み合わせだ。
既に▲9九玉型なので、3図から▲7八金△6五銀▲7五歩△7六銀▲5九角△4五歩▲8八銀というのはあるかもしれない。
しかしそもそも▲5六歩を突かなければ△5四銀はほっといていい(6五に出てきたときに▲2六飛でよい)のだから、穴熊を目指すなら突かないほうが得だと思いえばぁは▲5七歩型を採った。
まぁ、好みの問題である。
基本的に、中飛車は玉を堅くして戦うのに向かない。美濃囲いで普段金がいる場所(5八・5二)に飛車がいるのが原因で、そもそも美濃囲いに出来ないのである。
じゃあ金が5八・5二にいる必要のない穴熊にしたらどうかと考えてみる。
1図 |
初手から 銀を△5三銀~△6四銀と使うのは矢倉流で解説してあるので、ここでは△4三銀型を考えてみる。 |
▲9八香の瞬間にポイントを挙げようと動くのは振り飛車の常套手段なのだが、どうも動きづらい。工夫を考えてみる。
1.1図で△3二銀型にしておき△4五歩と角交換を挑む ・・・ ▲3三角成△同銀に▲4三角があってだめ
2.▲4三角を消すために△3二金と上がる ・・・ 堅さを求めて穴熊に組んだのに、堅さ負けしていては意味がない
3.1図まで△5四歩を突かずに、△5四銀と出る ・・・ 効果はあるが、5筋で飛車が使えないので中飛車にした意味がない
1図でなにもせず淡々と組み合うのは作戦負けになる。
となると、中飛車△4三銀型で相穴を目指すのはなかなか難しいようだ。居飛車としては、あまり恐れることはない。
中飛車で相穴熊勝負に持ち込むには、
1. 銀を5三~6四と使い、矢倉流のように△4五歩~△4二飛、または淡々と組み合う
2. 5筋の位を取る
このどちらかしかないと思う。ただ、それで居飛車が穴熊にしてくるかどうかはまた別の話だ。
向かい飛車穴熊は、速攻を狙う向かい飛車と全く性格が異なる。
基本的な向かい飛車は、居飛車に対して△2四歩▲同歩△同飛(△同角)と積極的に動く戦法である。「隙あらば仕掛けますよ~」と言うのが信条だ。
しかし、向かい飛車から穴熊に潜る戦法もたまに指されている。
組み合ったのが以下の図。銀は5三~6四と使うことがほとんど。
向かい飛車の△2二飛型が、始めから▲6八角~▲2四歩の仕掛けを受けている意味がある。
振り飛車は2筋以外で相手に主張を与えないように指す。
『向かい飛車は積極的な戦法』と言う認識があり、振り飛車もそのように考えているからかあまり穴熊には潜らない。 |
駆け足のようだったが、とりあえず考えられる振り飛車穴熊を取り上げた。
最も変化が多いのが四間飛車穴熊となる。四間飛車は銀を5三に使えないので、様々な工夫を凝らさないと相穴のような超持久戦では損となってくるからだ。
序盤の折衝でそのあとの形が決まってくるが、とにかく持久戦なので変化は多数。解説した形がそのまま実戦に出てくることはあまりないかもしれない。
他の振り飛車に関しては、銀を5三に使えるために、徹底待機策が基本となる。
辛気臭いと思う人が多いのか、あまり指す人は多くない。しかし相手にするとなると曲者である。
どの振り穴を相手にするにせよ、桂香を取ったり、と金を作ったりすることがポイントとなる。
相手の穴熊の金銀を剥がすのが先決で、大駒と金の交換が駒得・駒損にならない場合も多い。
なんにせよ、双方の中盤力が試される難しい戦型だ。
一通りの相穴を取り上げたのだが、まだ最新形が残っている。
四間飛車穴熊の一種で、序盤に△9五歩と突きこしてから穴熊に篭る、「端歩位取り穴熊」だ。
容量の関係上、別ページで作成することにしている。