VAMPS

 HYDE名義でも、『FAITH』の時点でK.A.Zの作った曲を歌う、バンドのような形態になっていた。それがバンドとして名前がついただけの形であり、やっていることはHYDE名義だったころと特に変わりない。HYDEはこれを「"FAITH"は同棲期間みたいなもの。今回は入籍。」と表現している。

 『HAUNTED RECORDS』の契約が切れたこともあるのだろう、今回は『VAMPROSE』と言うインディーズレーベルで活動している。
 バックボーンはデンジャークルーであり、要するに堂々と「JACK IN THE BOX」に出たいのではないかと思うが、VAMPSとしては2008年の出演はなく、2009年夏の「JACK IN THE BOX 2009 SUMMER」で初登場した。

 2008年〜2009年のツアーではサポートメンバーとしてBass : Ju-ken、Drums : Arimatsu、Keyboard : Jinが参加している。

HYDE
 当サイトでは言わずと知れたL'Arc〜en〜Cielのヴォーカリスト。
K.A.Z
 Oblivion Dust(*) のギタリスト。土屋アンナとのユニット・Spin Aquaや、hide with Spread Beaverにも参加している。
 HYDEの2ndアルバム『666』の製作時から編曲で参加。『FAITH』では作曲もこなし、今回ついにユニットと言う形になった。あまりギターソロは弾かない。密かに映画『デトロイト・メタル・シティ』の楽曲『SATSUGAI 〜for the movie〜』を作っていたりと、プロデュース業も順調。

* 1996年結成、2001年解散。2007年再結成。

Ju-ken (Bass)
 サポートベーシストとして有名であり、メジャーなところでは福山雅治、布袋寅泰との共演もある。身長183cmと大柄。K.A.Zの所属していたOblivion DustやSpin Aquaでもサポートをしていたことがある。また、YOSHIKI・Gackt・SUGIZO・雅-miyavi-の4人で結成され、たった1回アメリカでライブした後、X JAPAN復活のために全く音沙汰なしのバンド・S.K.I.N.でもサポートを務めた。
Arimatsu (Drums)
 大槻ケンヂが2000年に結成したバンド『特撮』のドラマー。両腕のタトゥーが目を引く。かつて『Rosen Kreuz(ローゼンクロイツ)』と言うバンドのドラマーであったが、その前にサポート(ゲスト?)でドラムを叩いていたのが、yukihiroだそうだ。
Jin (Keyboard)
 元々はL'Arc〜en〜Cielのマニピュレーター。ライブではマスクを着用している。本名は斉藤仁。ロス五輪・ソウル五輪柔道の金メダリストではないので注意。

SINGLE・c/w

No. TITLE words & music
 COMMENT
1st LOVE ADDICT words & music : HYDE
 2008年7月2日発売。オリコン初登場2位。一応、2008年のインディーズシングルでは年間1位の売り上げだそうだ。
 全英語詞。曲の進行は『HONEY』『Killing Me』『COUNTDOWN』などに代表される、「うおーー」と叫んで最後まで行くHYDE曲の典型である。そう思われていることは本人もわかっているらしく「またやってるって思うかもしれないけど、こういうのが好きなんだからしょうがない」と語っている。
TIME GOES BY words : HYDE music : HYDE, K.A.Z
 『LOVE ADDICT』のc/w。HYDE曰く「中学生でもわかる曲を入れてバランスをとった」。
 この説で行けばえばぁはまだ中学生らしいが、この曲でのHYDEの歌は多少くどい気がする。
2nd I GOTTA KICK START NOW words & music : HYDE
 2009年3月13日発売。オリコン初登場6位。発売日は13日の金曜日で、もちろんそれを狙って設定された。
TROUBLE words & music : ASKEW CAROLINE
 『I GOTTA KICK START NOW』のc/w。イギリスのアイドルデュオ『Shampoo』のカバー。
 「VAMPSは打ち込みもあるよ」と言うところを見せておきたかったそうだ。
3rd EVANESCENT words & music : HYDE
 2009年5月13日発売。オリコン初登場4位。
Life On Mars? words & music : David Bowie
 『EVANESCENT』のc/w。イギリスのミュージシャン『デヴィッド・ボウイ』のカバー。
4th SWEET DREAMS words : HYDE music : K.A.Z
 2009年9月30日発売。アルバム『VAMPS』からのシングルカット。オリコン初登場2位。
SWEET DREAMS -acoustic words : HYDE music : K.A.Z
 『SWEET DREAMS』のc/w。タイトル曲のアコースティックバージョン。付属のDVDにはPV代わりに、生録音のアコースティックバージョンが収録されている。
5th DEVIL SIDE words & music : HYDE
 2010年5月12日発売。オリコン初登場2位。
 初めて聴いたとき「サビがかなり『COUNTDOWN』っぽいから、HYDEの曲確定だな」と思った。
LIVE WIRE words & music : NIKKI SIXX
 モトリー・クルーのカバー。2010年1月発売のラルクのシングル『BLESS』に、P'UNK〜EN〜CIELの『ROUTE 666 -2010-』が収録されているが、その元ネタがこの曲である。
6th ANGEL TRIP words : ??? music : ???
 2010年6月9日発売予定。
KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver.- words : ??? music : K.A.Z
 映画『デトロイト・メタル・シティ』劇中曲の『SATSUGAI』をK.A.Zが作曲しているが、そのVAMPSバージョンと言うことだろう。VAMPSなので、「サツガイ、サツガイせよー」ではなく「キュウケツ、キュウケツせよー」。

VAMPS

 2009年6月10日発売・・・だが、実際はその一月前、3rdシングル『EVANESCENT』が発売された5月13日に、iTunes Storeで全曲配信スタートされた。CD発売前のアルバム全曲配信は前例がないとのことだ。本人たち曰く「早く届けたい」「アルバムの予習」だそうである。

 今回は心置きなくK.A.Zの曲を歌えると言う事で、シングルはHYDE曲が続いたが、アルバムではK.A.Zの比率が高い。ただ、今回の曲の作り方はK.A.Zの作ってきた曲のオケを聴いて、HYDEがメロディを付けていくと言う作業で進められたそうだ。この作り方は、L'Arc〜en〜Ciel当初の曲製作と同様の手順らしい。

No. TITLE words : music :
 COMMENT
1 BITE music : HYDE
 インスト。端的に言えば、ここでバンパイアに噛まれてしまう。
2 LOVE ADDICT words & music : HYDE
 1stシングル。
3 COSMOS words : HYDE music : K.A.Z
 順番通り聴き始めれば、アルバム新曲の中で最初に聞くことになる曲。シングル3枚の傾向から考えると、こんな雰囲気の曲があるとは思わなかった・・・と言うのが第一印象だった。
4 SECRET IN MY HEART words : HYDE music : K.A.Z
 このアルバムの中では一番お気に入りの曲。メロの心地よい疾走感、それがサビに入った途端、荘厳な雰囲気へ一変する。
 不死身のヴァンパイアは、人間を愛したところで別れが待ち受けているだけ。それでも想いは抑えきれない。こんなことなら不死身なんて全くいいことじゃない、愛した者に見送られる、そんな素晴らしい死を迎えられないだろうか・・・。
5 EVANESCENT words & music : HYDE
 3rdシングル。
6 VAMPIRE DEPRESSION words : HYDE music : K.A.Z
 HYDEが「次のシングルはメタルなんかいいね」と口走ったために、K.A.Zが書いてきた曲だそうである。元々はそのままメタルだったものを、サビでドラムのパターンを駆使し、どうにかメタル色を薄めたとか。本来はツーバスでドカドカやっていたということだろう。
 一度「HYDEはゴジラだ」と評したことがあるが、そのゴジラぶりがこの曲でも発揮されている。歌ってると言うより咆哮している。本当に喉が強くなかったらこんなんできない。しかもVAMPSのライブは滞在型のため、毎日酒は飲むしタバコも吸いまくっているはずである。この凄まじさに驚愕すると同時に、「もしぶっ壊れたら・・・」の不安も抱かせる怖い曲。
 何千年も生きるヴァンパイアにとって、互いを殺し合い、環境を破壊し、愚かな行為を反省することもなく繰り返し続ける人間の有様はとても見ていられるものじゃない。だから『JUST BLIND ME』、俺の目を見えなくしてくれ・・・と嘆いている詞だ。
7 REDRUM words : HYDE music : K.A.Z
 タイトルはアナグラム。歌詞中に『REDRUM M I'』と言う一文が出てくるが、逆から読むと『I'M MURDER』と言うわけ。
8 DEEP RED words : HYDE music : K.A.Z
 元々はK.A.ZがSpin Aqua(*) をやっていたころに作ってあった曲で、仮歌は土屋アンナの声で入っていたそうだ。
 タイトルは赤だが、曲の色はピンクがかった紫と言うか、とてもヤラシイ感じのする色である。そういう生活・流れから抜け出せなくなっちゃったわ〜、みたいな詞だ。あまりハードロックと言うわけではないため、ラルクのアルバム曲だと言われて出されてもそんなに違和感はない、個人的には。

* KAZと土屋アンナのユニット。ちょっと活動したら、土屋アンナが妊娠してしまい解散した。

9 I GOTTA KICK START NOW words & music: HYDE
 2ndシングル。
10 TIME GOES BY words : HYDE music : HYDE, K.A.Z
 1stシングルのカップリング。
11 SWEET DREAMS words : HYDE music : K.A.Z
 のちにシングルカットされ、4thシングル。
12 HUNTING words & music: HYDE
 ライブにおける『HELLO』の前奏をやっているうちに思いついた曲。一応歌詞はあるがインストのようなもの。
13 SEX BLOOD ROCK N' ROLL words & music: HYDE
 普通は『SEX・DRUG・ROCK N ROLL』だが、そこはヴァンパイアと言う設定なので『BLOOD』。

BEAST

 2010年7月28日発売。オリコン最高3位。元々は7月7日が予定されていたが、対バンするSADSと被ってるからか、発売日がずれた。その代わり、『VAMPS』同様に7月1日からiTunes Storeで先行配信された。

 ロサンゼルスでのレコーディング。
 これまでのソロ作品と比べて、HYDEの声にディストーションが掛かっている比率が少ない。#13『MY FIRST LAST』に至っては、ほとんどソロ1stアルバム『ROENTGEN』の世界である。
 これまでのソロ作品の傾向から、HYDE自身は、一気に突っ走って最後まで行くような曲(『HELLO』『LOVE ADDICT』など)や、ゴジラのように咆哮する曲(『MIDNIGHT CELEBRATION』など)が好きなんだと思う。ただ作曲家の心理としては、ken、tetsuyaと同じように、K.A.Zも「HYDEには滑らかな声で歌わせてみたい」と思っていそうだなと、プレビューを聞いて思った。

No. TITLE words : music :
 COMMENT
1 PLUG IN music : HYDE
2 DEVIL SIDE words & music : HYDE
 5thシングル。
3 ANGEL TRIP words : HYDE music : K.A.Z
 6thシングル。
4 MEMORIES words : HYDE music : K.A.Z
5 EUPHORIA words & music : HYDE
6 VAMP ADDICTION words : HYDE music : K.A.Z
7 REVOLUTION words & music: HYDE
8 THE PAST words : HYDE music : K.A.Z
9 PIANO DUET words : HYDE music : K.A.Z
10 RUMBLE words : HYDE music : HYDE, K.A.Z
11 GET UP words & music: HYDE
12 SAMSARA words & music: HYDE
13 MY FIRST LAST words & music: HYDE